急性毒性
経口
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットのLD50:> 5,000 mg/kg(EPA Pesticides RED (1993)) (2)ラットのLD50:8,400 mg/kg(PubChem (Accessed Sep. 2021))
経皮
【分類根拠】 (1)、(2)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ウサギのLD50:> 5,000 mg/kg(PubChem (Accessed Sep. 2021)) (2)ウサギのLD50:> 16,000 mg/kg(EPA Pesticides RED (1993))
吸入: ガス
【分類根拠】 GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットのLC50(1時間):> 20 mg/L(4時間換算:> 5 mg/L)(PubChem (Accessed Sep. 2021)) (2)ラットのLC50(4時間):> 2.1 mg/L(CLH Report (2018))
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【參考データ等】 (1)本物質(zhì)の85%製剤について、ウサギ(n = 6)を用いた皮膚刺激性試験(OECD TG 404、4時間適用、72時間観察)において、皮膚刺激性反応はみられなかった(紅斑?痂皮スコア:0/0/0/0/0/0、浮腫スコア:0/0/0/0/0/0)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2018))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
【參考データ等】 (1)本物質(zhì)の85%製剤について、ウサギ(n = 6)を用いた眼刺激性試験(OECD TG 405、7日観察)において、適用後24/48/72時間の結(jié)膜発赤及び結(jié)膜浮腫の平均スコアが2以上の動物が2/6例であり、みられた癥狀は7日以內(nèi)に回復した(角膜混濁スコア:0/0/0/0/0/0、虹彩炎スコア:0/0.3/0/0/0/0、結(jié)膜発赤スコア:1/2/2/1.3/1.7/1.3、結(jié)膜浮腫スコア:1.7/2/2/1/1.7/1.3)との報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2018))。
呼吸器感作性
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】 (1)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)マウス(n = 5/群)を用いた局所リンパ節(jié)試験(LLNA)(OECD TG 429)において、刺激指數(shù)(SI値)は0.58(5%)、0.80(10%)、1.28(25%)であったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2018))。
【參考データ等】 (2)本物質(zhì)の85%製剤について、モルモット(n=20)を用いたBuehler試験(OECD TG 406、経皮投與:100%検體)において、皮膚反応はみられなかったとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020)、CLH Report (2018))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】 (1)~(3)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG 474)において陰性の報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2010)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (2)マウスの骨髄細胞を用いた染色體異常試験(OECD TG 475)及びマウスの優(yōu)性致死試験(OECD TG 478)において陰性の報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2010)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (3)細菌を用いた複數(shù)の復帰突然変異試験(OECD TG 471)、ほ乳類培養(yǎng)細胞(マウスリンパ腫細胞)を用いた遺伝子突然変異試験(OECD TG 476)及び同CHO細胞を用いた染色體異常試験(OECD TG 473)で、いずれも陰性であったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2010)、ECHA RAC Opinion (2020))。
発がん性
【分類根拠】 (1)より、國內(nèi)外の評価機関による既存分類結(jié)果に加え、(2)~(4)の試験結(jié)果等を踏まえた(5)の歐州化學品庁リスク評価委員會(ECHA RAC)の見解、並びに(6)における本物質(zhì)の主代謝物の発がん分類結(jié)果より総合的に判斷し、區(qū)分2とした。
【根拠データ】 (1)國外の評価機関による既存分類結(jié)果として、EPAでは1991年以來グループB(Probable Human Carcinogen:區(qū)分1B)に分類している(EPA OPP Annual Cancer Report 2020 (Accessed Sep. 2021))。なお、EPAの1993年評価ではB2とされている(EPA Pesticides (1993))。 (2)ラットを用いた2年間混餌投與による慢性毒性/発がん性併合試験(OECD TG453、GLP)において、雌雄とも発がん性の明らかな証拠は認められなかった(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020))。 (3)マウスを用いた2年間混餌投與による発がん性併合試験(OECD TG453、GLP)において、雄の6,000 ppm及び雌の6,000及び10,000 ppm投與群に細気管支/肺胞腺腫と同がんの合計発生頻度の有意な増加がみられたとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (4)過去のNTP発がん性試験において、ラット及びマウスを用いた2年間混餌投與による発がん性試験では、低及び高用量(5,000及び10,000 ppm)投與群で雌ラットに子宮內(nèi)膜の腺がん、子宮の平滑筋肉腫が認められた。雄マウスには高用量(10,000 ppm)投與群で肝細胞がんの統(tǒng)計的に有意な増加がみられたが、背景データの発生頻度を考慮すると投與との関連性は明らかでないと結(jié)論された(NTP TR83 (1978))?,F(xiàn)在、NTP発がん性試験結(jié)果は、雄ラットで陰性、雌ラットで陽性、雄マウスで不明瞭、雌マウスで陰性と結(jié)論されている(CEBS (Accessed Sep. 2021))。 (5)ECHAのRACは、(2)~(4)の3つの試験結(jié)果からの全體的な評価として、本物質(zhì)の発がん性分類に関して妥當性がある腫瘍性病変は雌雄マウスの肺腫瘍と雌ラットの子宮の腫瘍に限られること、本物質(zhì)は遺伝毒性を欠くこと、主代謝物の1,1-ジメチルヒドラジン (UDMH、CAS 57-14-7)が発がん物質(zhì)として知られており、UDMHの発がん性も本物質(zhì)の発がん性試験結(jié)果で十分にカバーされること、発がん性について得られた証拠の強さから、Category 2とするのが適切であると結(jié)論したとの報告がある(ECHA RAC Opinion (2020))。 (6)本物質(zhì)の主代謝物である1,1-ジメチルヒドラジン (UDMH、CAS番號 57-14-7)は、IARCではグループ2B(IARC 71 (1999))、政府によるGHS分類結(jié)果(2010年分類)では區(qū)分2、EUではCarc. 1B(CLP分類結(jié)果 (Accessed Sep. 2021))にそれぞれ分類されている。
【參考データ等】 (7)EFSAの評価では、(1)、(2)について、投與した被験物質(zhì)には不純物のUDMHが~30 ppm(~0.3%)含まれていたにもかかわらず、腫瘍性病変はみられなかったとの報告がある(EFSA (2004))。
生殖毒性
【分類根拠】 (1)~(6)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投與及び混餌投與による2世代生殖毒性試験(OECD TG 416)において、最高用量の1,200 mg/kg/dayでF0及びF1親動物に軟便?肛門周囲の被毛汚染?流涎がみられたが、親動物の生殖能?性機能、F1?F2児動物の発生?発達への有害影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (2)ラットを用いた強制経口投與及び混餌投與による2世代生殖毒性試験(OECD TG 416)において、最高用量の10,000 ppm(500 mg/kg/day相當)でF1雄親動物に體重の低値がみられたが、親動物の生殖能?性機能、F1?F2児動物の発生?発達への有害影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (3)雌ラットを用いた強制経口投與による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6~15日)では、母動物に體重増加抑制がみられる最大1,500 mg/kg/dayまで胎児に発生影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (4)雌ウサギを用いた強制経口投與による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠6~28日)において、母動物の中用量500 mg/kg/dayで死亡7例、切迫と殺2例(合計9/24例:37.5%)、高用量の1,000 mg/kg/dayで死亡8例、切迫と殺6例(合計14/24例:58.3%)と高率で死亡例がみられ、これら2群では明瞭な癥狀(軟便/水様便?過呼吸?過敏癥?痙攣)もみられたが、胎児への発生影響としては高用量群の生存胎児に體重の低値と骨化遅延がみられただけであったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (5)ウサギを用いた強制経口投與による発生毒性試験(OECD TG 414、妊娠7~19日)では、母動物に死亡例が生じない最高用量の300 mg/kg/dayまで母動物、胎児に影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018)、ECHA RAC (Background Doc.) (2020)、ECHA RAC Opinion (2020))。 (6)本物質(zhì)はラットとウサギにおいて、何らかの母動物毒性を生じるが発生毒性は生じない。ラットを用いた生殖試験において、本物質(zhì)は最高用量レベルで全身毒性を生じたが、生殖毒性は生じなかったとの報告がある(EPA Pesticides (1993))。
特定標的臓器毒性 (単回ばく露)
【分類根拠】 (1)~(4)より、區(qū)分に該當しない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた単回経口投與試験(OECD TG 424)において、2,000 mg/kg(區(qū)分2の範囲)で自発運動の減少がみられたが、他の臨床癥狀、FOB観察項目に異常はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018))。 (2)ラットを用いた単回経口投與試験(OECD TG 401)において、5,000 mg/kg (區(qū)分に該當しない範囲)で影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018))。 (3)ウサギを用いた単回経皮投與試験(OECD TG 402)において、5,000 mg/kg (區(qū)分に該當しない範囲)で下痢、肛門周辺の汚れ、衰弱、排せつ物の減少がみられたとの報告がある(CLH Report (2018))。 (4)ラットを用いた単回吸入ばく露試験(OECD TG 403、4時間)において、2.1 mg/L(區(qū)分2の範囲)で鼻からの分泌液が散発的にみられたとの報告がある(CLH Report (2018))。
特定標的臓器毒性 (反復ばく露)
【分類根拠】 (1)~(5)より、経口及び経皮経路では區(qū)分に該當しない。ただし、吸入経路では毒性情報がなくデータ不足のため分類できない。なお、(6)より、膽管増生は重篤な変化ではないと判斷されているため、肝臓を標的臓器としていない。
【根拠データ】 (1)ラットを用いた強制経口投與による90日間反復経口投與試験(OECD TG 408)において、1,000 mg/kg/day(區(qū)分に該當しない範囲)で異常はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018))。 (2)イヌを用いた混餌投與による1年間慢性毒性試験において、7,500 ppm(199 mg/kg/day、區(qū)分に該當しない範囲)で嘔吐、軟便がみられたとの報告がある(CLH Report (2018)、EPA Pesticides RED (1993))。 (3)ラットを用いた混餌投與による2年間慢性毒性/がん原性併合試験(OECD TG 453)において、100 ppm(5 mg/kg/day、區(qū)分1の範囲)で膽管増生(雌)が、10,000 ppm(500 mg/kg/day、區(qū)分に該當しない範囲)で膽管増生(雄)がみられたとの報告がある(CLH Report (2018)、EPA Pesticides RED (1993))。 (4)マウスを用いた混餌投與による2年間慢性毒性/がん原性併合試験(OECD TG 451)において、3,000 ppm(450 mg/kg/day、區(qū)分に該當しない範囲)で血小板數(shù)の減少(雌)が、10,000 ppm(1,500 mg/kg/day、區(qū)分に該當しない範囲)で肝臓の炎癥と色素の褐色化(雄)、赤血球數(shù)の減少(雌)がみられたとの報告がある(CLH Report (2018)、EPA Pesticides RED (1993))。 (5)ラットを用いた28日間反復経皮投與試験(OECD TG410)において、2,000 mg/kg/day(90日換算:622 mg/kg/day、區(qū)分に該當しない範囲)で影響はみられなかったとの報告がある(CLH Report (2018))。 (6)膽管増生は、ラットに通常的に発生する加齢性病変であるとの報告がある(CLH Report (2018))。
誤えん有害性*
【分類根拠】 データ不足のため分類できない。
* JIS Z7252の改訂により吸引性呼吸器有害性から項目名が変更となった。