急性毒性
経口
【分類根拠】
(1)~(6) より、區(qū)分4とした。
【根拠データ】
(1) ラットのLD50: 575 mg/kg (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、GESTIS (Access on May 2020))
(2) ラットのLD50: 578 mg/kg (JMPR (2011))
(3) ラットのLD50: 雌: 578 mg/kg、雄: 595 mg/kg (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))
(4) ラットのLD50: 587 mg/kg (EPA Pesticides RED (1998))
(5) ラットのLD50: 雄: 595 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(6) ラットのLD50: 684~809 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
経皮
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】
(1) ウサギのLD50: 2,000~5,000 mg/kg (HSDB (Access on May 2020))
(2) ウサギのLD50: > 2,000~< 5,000 mg/kg (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))
(3) ラットのLD50: > 5,000 mg/kg (JMPR (2011)、農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))
吸入: ガス
【分類根拠】
GHSの定義における固體であり、區(qū)分に該當しない。
吸入: 蒸気
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
吸入: 粉じん及びミスト
【分類根拠】
(1) より、區(qū)分に該當しないとした。
なお、ばく露濃度が飽和蒸気圧濃度 (8.0E-006 mg/L) よりも高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。
【根拠データ】
(1) ラットのLC50 (4時間): > 5 mg/L (GESTIS (Access on May 2020))
(2) 本物質の蒸気圧: 3.98E-007 mmHg (25℃) (HSDB (Access on May 2020)) (飽和蒸気圧濃度換算値: 8.0E-006 mg/L)
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分2とした。舊分類の根拠データが確認できないため、新たに得られた (1)~(3) のデータを基に分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、パッチ除去1時間後に極めて軽度~明瞭な紅斑が2/6例に認められた。明瞭~中程度ないし重度の紅斑が24、48及び72時間後に認められ、7日後には回復した。浮腫は、極めて軽度~重度の浮腫がパッチ除去1時間後に全例に認められ、72時間後まで持続したが、7日後には回復していた。皮膚一次刺激指數(PII)は4.8で、軽度~中程度の刺激性物質と考えられた (JMPR Addendum (2011))。
(2) ウサギを用いたEPA OPP 81-5 に準拠したウサギを用いた皮膚刺激性試験において中等度の刺激性を示す (EPA Pesticides RED (1998))。
(3) ヒトにおいて短期間のばく露で眼や皮膚を刺激し、発赤を生じる。長期または反復して皮膚に接觸すると皮膚炎を起こすことがある (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005))。
【參考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 51%) 及び水和剤 (有効成分 35%) のウサギを用いた皮膚刺激性試験において、中等度~強度の刺激性と判定されている (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
【分類根拠】
(1)~(3) より、區(qū)分2Bとした。舊分類では製剤 (水和剤) の結果を基に區(qū)分1としていたため、原體の結果を基に分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ウサギを用いた眼刺激性試験 (點眼24時間後に洗眼) で、角膜、虹彩には無影響であったが、結膜刺激影響が 1及び24時間後に6/6例に、48時間後に5/6例で認められたが、72時間以內に消失し、本物質は軽度~中程度の眼刺激性物質と考えられた(JMPR Addendum (2011))。
(2) EPA OPP 81-4 に準拠したウサギを用いた眼刺激性試験において中等度の刺激性を示す (EPA Pesticides RED (1998))。
(3) ヒトにおいて短期間のばく露で眼や皮膚を刺激し、発赤を生じる (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005))。
【參考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 51%) のウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜、結膜、虹彩に変化がみられたが、7日後までに消失した (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。
(5) 本物質の水和剤 (有効成分 35%) のウサギを用いた眼刺激性試験において、角膜、結膜、虹彩に変化がみられ、結膜及び虹彩の反応は14日後までに消失したが、角膜の変化は21日後まで持続した (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。
呼吸器感作性
【分類根拠】
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
【分類根拠】
(1)~(3) の記載はあるが、相反するデータが混在し、また、明確な結論が得られないため、分類できない。舊分類と相反するデータが得られたことから分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) モルモットを用いた皮膚感作性試験 (ビューラー法) において軽度から中等度の感作性を示すと報告されている (JMPR (2011))。
(2) モルモットを用いた改変ビューラー法による皮膚感作性試験 (感作: 4.2%溶液を6時間/回、3回/週、3.5週間、計10回貼付、最終感作の2週間後に11.7%溶液で惹起、1週間後に再惹起) では、一部の動物に紅斑が認められたが、対照群と明白な差が認められず、感作性に関し、明確な結論は得られていない (JMPR Addendum (2011))。
(3) EPA OPP 81-6 に準拠したモルモットを用いた皮膚感作性試験において感作性を示さない (EPA Pesticides RED (1998))。
【參考データ等】
(4) 本物質の乳剤 (有効成分 43.8%) 及び水和剤 (有効成分 36.2%) のモルモットを用いた皮膚感作性試験において、軽度の感作性と判定されている (農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。
生殖細胞変異原性
【分類根拠】
(1)、(2) より、區(qū)分に該當しないとした。
【根拠データ】
(1) in vivoでは、ラット経口投與の骨髄細胞を用いた染色體異常試験で陰性の報告がある (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020)、農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。
(2) in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性の報告がある (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020)、CEBS (Access on May 2020)、農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992))。哺乳類培養(yǎng)細胞を用いた染色體異常試験で陰性、遺伝子突然変異試験で陰性 (EPA Pesticides RED (1998)、JMPR addendum (2011)、HSDB (Access on May 2020))、姉妹染色分體交換試験で陰性の報告がある (JMPR addendum (2011))。
発がん性
【分類根拠】
(1)~(3) より、IARC (1987年) よりも後 (1998年) に分類されたEPAの既存分類結果に基づき、區(qū)分2とした。新たな情報源を用いて検討し分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) 國內外の分類機関による既存分類では、IARCでグループ3 (IARC Sup7 (1987))、EPAでグループC (possible human carcinogen) (EPA Pesticides RED (1998)) に分類されている。
(2) 雌雄のラット及びマウスに本物質を78週間混餌投與した発がん性試験において、雄のマウスで肝細胞がんの発生率及び肝細胞腺腫とがんの合計の発生率の有意な増加が認められた。雌のマウス及び雌雄のラットでは腫瘍発生率の増加は認められなかった (NTP TR90 (1978)、IARC 30 (1983)、EPA Pesticides RED (1998))。
(3) 雌雄のラットに本物質を2年間混餌投與した慢性毒性/発がん性併合試験では、投與に関連した腫瘍発生率の増加は認められなかった (JMPR (2011)、EPA Pesticides RED (1998))。
生殖毒性
【分類根拠】
(1) より、親動物毒性用量で生殖能に対する影響がみられている。ガイダンスに従い區(qū)分2とした。なお、新たな情報源の使用により、舊分類から分類結果を変更した。
【根拠データ】
(1) ラットを用いた混餌投與による2世代生殖毒性試験において、親動物毒性 (體重増加抑制、摂餌量減少、副腎皮質の肥大及び/または空胞化の発生率増加、卵巣間質細胞肥大及び肝細胞の変性) がみられる用量で、児動物の生存率低下がみられている (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。
【參考データ等】
(2) 雌ラットの妊娠6~15日に強制経口投與した発生毒性試験において、母動物毒性 (唾液分泌過多、體重増加の抑制、肝小葉中心性の肝細胞肥大等) がみられる用量においても胎児に影響はみられていない (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。
(3) 雌ウサギの妊娠7~19日に強制経口投與した発生毒性試験において、母動物毒性 (體重減少、肝細胞の好酸性化、硝子化) がみられる用量において流産はみられたが、児動物に影響はみられていない (MOE初期評価第4巻:暫定的有害性評価シート (2005)、農薬工業(yè)會「農薬時報別冊「農薬技術情報」」第12號 (1992)、JMPR (1992)、JMPR addendum (2011))。